外壁の凍害に対する知識を得ましょう

外壁の凍害に対する知識を得ましょう

凍害とは何かご存知でしょうか?

外壁にとって大変危険な症状である凍害は、寒冷地においてはよく起こる症状ですが、寒さが強い季節は全国で起こる可能性があります。そんな凍害とは一体どんな症状なのか、詳しく見ていきたいと思います。

凍害とは、外壁材が水分を吸収し、その水分が凍結したあとに融解をする、つまり凍ったあとに溶けることを繰り返すことで、外壁がどんどん劣化していく現象のことを言います。

水分は凍ると氷になり、体積が水の状態に比べて約10%も増えます。外壁の内部に侵入した水分が膨張することで、徐々に劣化症状が進行していきます。外壁の表面にひび割れが発生し、塗装が剥がれだすとボロボロの状態になっていき、美観を損なうどころか、建物を支える骨組みがダメージを受けると大変なことになってしまいます。凍害の発生を見つけたら放置せず、早急に専門の業者に相談するようにしましょう。凍害が起こる主な原因として、経年劣化があげられますが、窯業系サイディングと呼ばれる外壁材を使用した場合に発生しやすく、経年劣化が進むと塗膜の効果が薄れていき、水分を吸収しやすい状態になってしまうのです。窯業系サイディングの特徴としては、耐久性や耐火性に優れているということですが、凍害対策を考えるのであれば金属サイディングをおすすめ致します。凍害により補修やメンテナンスをする場合、窯業系サイディングは再び凍害が起こる可能性があります。ですが、金属サイディングは水を吸収しないため、凍害が起こることはありません。

凍害には、主に3つの種類の症状があります。

気温が-2度以下になると発生する可能性が高くなるひび割れは、外壁の表面に発生する現象です。そして、同じく-2度以下になると発生する可能性が高くなるスケーリングと言われる現象があり、外壁表面の膜が剥がれ落ちてしまう症状です。3つ目はポップアウト現象と呼ばれるもので、外壁の表面が薄い皿状に剥がれ落ちてしまう症状が発生します。
凍害は、日本では極寒の地にあたる北海道や東北地方の発生率が高いですが、窯業系サイディングを使用している建物の場合は、極寒の地に関わらず、寒波により大雪に見舞われる日本海側であったり、厳しい寒さの時期は太平洋側でも被害が見られることがあります。窯業サイディングは、耐用年数が約40年と長いため使用されることが多いですが、その特徴を活かすためには点検やメンテナンスを行うことが必要です。近年、冬の寒さが厳しくなっており、太平洋側でも積雪が多く見られるようになっています。凍害が起こる可能性が低い場所であっても、絶対に起こらないわけではないため、10年を目安に状態を確認し、不具合があるようでしたら早めに専門業者に見てもらいましょう。

凍害を予防するには、定期的な点検やメンテナンスはもちろんですが、外壁の場合は早め早めに部分補修をすることも効果的です。

ひび割れを見つけたら放置するのはやめましょう。また、凍害は湿気が多い場所で発生することが多く、特に水回りは室内外にかかわらず発生する可能性もあります。換気を心がけ結露には注意しましょう。日当たりが悪い場所の場合は、水分が乾きにくく、外壁から内部にまで水分が侵入している場合もあり大変危険です。素人目ではわからない不具合が発生していることもありますので、築年数が経過している場合は特に注意が必要となります。水分や湿度を防ぐために、水分や湿気が溜まりにくくなる防水シートを使用する、外壁通気工法という方法で施工することも凍害には効果的です。

凍害が起きてしまった場合、補修するとなると費用が気になるところだと思います。

実は火災保険が凍害に適用される可能性があります。火災保険は、自然災害が原因で起きた建物の不具合に対して保険がおりることがありますが、保証内容に凍害も含まれていることがあります。加入している保険の内容によって、保証内容は様々ですので、ご自身な加入している保険の内容をしっかり把握し、いざという時の安心材料にしましょう。
補修をしなければならなくなった場合は、業者選びが必要ですが、費用面ばかりを気にして値段の安い業者に飛び付いてしまうのは大変危険です。リフォームや修繕の実績が豊富であり、尚且つ対応や工事の作業も丁寧である業者を選ぶことが重要です。悪徳業者に騙されないよう、契約前の説明は納得いくまで確認をきちんとし、業者のホームページなどから現在までの実績や口コミなど、参考になるものは適当にせず確認を怠らないようにしましょう。

凍害は、寒冷地以外にお住まいの場合、無関係と思われる方が多いと思います。

ですが、どこの地域でも起こりえる被害ですので、今一度、住宅の点検やメンテナンスについて考えてみましょう。凍害に関わらず、経年劣化についての知識を取り入れることで、被害にあった場合に焦らず対応できるとともに、大切なマイホームを長く守っていけることに繋がるでしょう。