塗装工事の塗料とペットへの影響

塗装工事の塗料とペットへの影響

コロナ禍の昨今、犬猫を中心としたペットブームは凄まじいですね。愛情いっぱいに暮らしていても、些細な日常の変化に、ペットが著しく体調を崩すことがあります。その一つになってしまうのが、塗装工事です。経年劣化の外壁を、綺麗に塗り替える工事は、飼い主も一緒に住まうペットも、喜ばしいことだと思うのですが、塗料のニオイや含ませる化学物質によって、調子を崩してしまうことも少なくありません。
今回は、ペットに与える塗装工事の影響を考えていきましょう。

塗料がペットに与える影響

塗装工事を行う時に、頭に浮かぶ一番の問題は、あのシンナー臭い塗料のニオイではないでしょうか。苦手だと言われる方も少なくないでしょうが、ペットにも大きな影響を与えます。犬は、「鼻で考える動物」と言われるほど嗅覚がすぐれています。人の3,000~10,000倍とも言われます。人の嗅覚でも、シンナー臭は辛いのですから、その何千倍もの嗅覚の犬にとって、気分が悪くならないわけがありませんよね。
塗装工事は、一日二日で終わるものではありませんから、調子が悪くなってしまうペットも少なくないのです。

【酔っぱらったようになる】

ペットの目が座ってしまい、酔っぱらったようになってしまいます。腰が抜けて、ひっくり返ったりする犬猫もいます。普通に歩けず、千鳥足のようになることもあります。

【怒りっぽく吠える】

普段の吠え方と異なり、怒っているように激しく吠えます。飼い主も恐くなる興奮状態になることもあります。

【皮膚炎になる】

皮膚が弱く、アレルギーを持っているペットなどは、塗装工事後に赤く皮膚炎を起こして、ただれたようになってしまうことがあります。

【食欲減退】

風邪をひいたように元気がなくなり、ぐったりとうずくまり食事も思うように摂れなくなります。

ペットの異常を誘発する物質

塗装工事中に万一の間違いがあって、塗料が体に付着したり、舐めてしまった場合は、そのまま亡くなってしまう最悪のケースがあります。
ペットを苦しい状態にしてしまう大きな原因は、溶剤中のVOCに含まれる「芳香族炭化水素」の影響によるものです。安全性が高く、溶剤が含まれていない塗料を選ぶことで、ペットへの負担を軽減することができます。
VOCとは、揮発性有機溶剤のことですが、塗料の溶剤に含まれています。厚生労働省では、13物質を指定しており、一般的に「有機溶剤」と言われます。
トルエン、キシレン、酢酸エチル、ホルムアルデヒド、クロルピリホス、ベンゼン、スチレンなどがこれになります。
様々な物質に含まれるVOCですが、塗料に含まれるVOCの排出量は非常に高いものです。
しかし、現在の塗料はVOCの規制が厳しくなり、一定量しか含まないF☆☆☆☆の塗料が大半になっています。

人にペットに優しい塗料

人にもペットにも優しい自然塗料を使うことで、快適な生活を送ることができます。
自然塗料とは、溶剤を使うのではなく、異なる油分を代用することで、塗料本来の効果を発揮させる自然素材を使った塗料です。ほとんどの自然塗料が、木材保護塗料になります。

【オスモカラー】

浸透性塗料であるオスモカラーは、無害の植物油を原料としており、木部の塗料に馴染がある塗料になります。乾きが早く撥水性も高く、塗料独特のニオイが消えやすいことから、ペットにも安心です。

【キヌカ】

米ぬかを主原料にした浸透性木部塗料で、100%植物由来の油で作られています。
クリヤーしかありませんが、無垢の良い味を出してくれます。

【木染ちゃん】

ヒバ油と亜麻仁油から作られ、食品衛生法をクリヤーした珍しい塗料です。
防虫防腐・防カビ効果を発揮する優れた自然塗料で、ニオイが少ない特徴があります。

【リボス】

亜麻仁油を主成分に、アロマオイルに使う芳香油を使っているのが大きな特徴の塗料です。

ペットを不調にさせないために

ペットの不調が気になって、塗装工事を諦めていた飼い主の皆さん、自然塗料やF☆☆☆☆等の塗料を使うことで、塗り替えできますよ。塗料が硬化するまで、家の中に入れておき、塗料に近づけない注意は必要になります。

・ペットの近くに塗料を置かない

犬猫は何でも舐めたがります。行動範囲内に塗料を置かないように注意してもらいましょう。自然塗料であっても、100%無害はありませんから、飼い主もペットを近づけないようにしましょう。

・塗装工事中の外出は控える

自然塗料であっても、何が起こるかわかりません。ペットだけを家に置いたままの外出は控えるようにしましょう。ペットの様子に気を配るようにしましょう。

・夏場に塗装工事を終わらせる

気温の高い夏場に塗装工事を行うことで、塗料の硬化は早くなります。ペットへの負担やストレスを軽減するために、短期間で工事を終わらせるようにします。

新築の時からペットと一緒に暮らす場合は、VOCを吸着し、洗浄帰化してくれる素材を使うことで、ペットとの暮らしやすさにつながります。
壁や天井に漆喰を使ったり、ヒノキ材を床に使うなどの工夫は、人にもペットにも優しい暮しを提供してくれます。

まとめ

塗装工事が始まると、短期間でも10日から2週間は、不自由な暮しを強いられることになります。人は状況がわかりますし、ニオイに敏感であっても犬ほどではありません。
体も小さく、嗅覚にすぐれた犬や猫にとって、有機溶剤はどんなに苦しい事でしょう。締めきって暮らすにも限度があります。有機溶剤の臭いが少なく、安全性の高い塗料を選択することは、ペットのみならず人にも優しい塗装工事になります。
ペットに注意しながら、キレイに生まれ変わる自宅を思い、塗装期間を暮らしたいですね。