外壁塗装のご近所トラブルと予防策

外壁塗装のご近所トラブルと予防策

住宅密集地でのリフォームや補修工事は、何かとトラブルの原因になりやすいものです。
塗装工事になれば、目に見えないニオイなど人によって感じ方が異なるので、他の工事よりもトラブルが起きやすくなります。ご近所付き合いは気持ちよく、継続したいものです。
そのために、どんな予防策を講じたら良いのでしょうか。今回は、ご近所付き合いを壊さずに、外壁塗装を施工するにはどうするか、考えていきましょう。

●外壁塗装で起こりやすい5つのご近所トラブル

外壁塗装は他の工事よりも、トラブルになりやすいと言われます。事前に把握していると心の準備ができて、実際に起こった時に落ち着いて対処できるようになります。

①壁洗浄の汚れや塗料が近所の車・家などに付いてしまった

外壁塗装で飛散した塗料が、隣家の車や家に付いてしまうケースは、とても多くあります。液体の塗料は、風が吹けば10m離れていても、簡単に飛んでいきます。そのために近隣の車には、養生シートを掛けさせてもらったり、駐車場所を変えてもらう対策をお願いしますが、完全に悲惨を防止することはできません。もしも、塗料が付いてしまったら、数万円から数十万円の弁償費用を請求されます。しかし、弁償は業者が支払いしますので、施主に請求がいくことはありません。

②足場の組み立てや解体の騒音がうるさい

外壁塗装に足場は欠かせません。足場を組み立てる時、解体する時、外壁の高圧洗浄をしている時などは、騒音が発生します。
隣はもちろん、2・3軒隣でも高音が響きます。騒音はトラブルになりやすい問題です。
一般住宅では滅多に防音シートを使うことはないので、騒音を避けることができません。

③自分で外装塗装したらクレームがきた

DIYで外壁塗装すると、近所からのクレームが非常に高くなります。
素人が屋根に上がっているのが、危なくて近所迷惑という話もあります。また、個人で外壁塗装すると、塗料の飛散による弁償は本人が支払うことになります。今後のお付き合いや賠償金支払いを考えると、DIY塗装は控える方がよいでしょう。

④業者の車が道路をふさいでいる

塗装工事には、一定期間業者の車を停車するスペースが必要になります。業者の車を住宅地の道路わきに停めてしまうと、近隣住民の通行を妨害してしまいます。自宅の駐車場に停めてもらうようにしましょう。

⑤塗料の強いニオイにクレームがきた

外壁塗装で避けられないのが、シンナー臭い強烈なニオイです。
ニオイに敏感な人には、耐えがたい悪臭となります。現在は、揮発性の弱い塗料も増えていますが、まだまだ強いニオイですから、事前に近隣に説明してもらいましょう。

●トラブルが発生した時の対処法

外壁塗装のご近所トラブルの対処法は、主に3つ上げることができます。

①業者に対応してもらう

塗装会社に工事を依頼すると、ご近所トラブルの責任は業者にあります。
「塗料が車に付いた」「騒音がうるさい」「ニオイが我慢できない」このようなクレームは、すべて業者に任せてしまいましょう。賠償金が発生した場合も、業者が支払うので、心配はいりません。

②自分で対応する

DIYの場合は、自己責任になります。賠償責任も自分に来るため、被害者に直接対応しなければなりません。対処に明確な方法は少ないので、さらなるトラブルを招くことがあります。

③住まいるダイヤルに相談する

本来、業者が対応すべき問題を対応してくれない場合、第三者に相談するしかありません。そんな時に役立つのが、「住まいるダイヤル」です。リフォームに関するトラブル事例を豊富に掲載したサイトを運営している「公益法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が、「住まいるダイヤル」です。外壁塗装だけでなく、リフォームに関するあらゆる相談を受け付けています。

●トラブルを避けるための予防策

ご近所トラブルを避けるために、守るべき5つのポイントを把握すればトラブルの大半は予防できるでしょう。

①ご近所トラブルは業者がすべて対応してくれるか確認する

塗料の飛散は業者が対応すべき問題です。トラブルにまったく対応してくれない業者もいますから、見積りの段階で確認し、契約書にトラブル処理の文面を記載してもらいましょう。

②ご近所に挨拶に行き工事することを事前に告知する

騒音の防止は難しいため、事前に近隣住民に騒音が聞こえそうな日を告知するようにします。
良心的な業者ならば、近所への挨拶時に工程表を渡して、説明してくれます。

③ニオイが少ない水性塗料を使う

ニオイの問題は避けられませんが、近年は、ニオイを抑えた塗料も開発されています。
「溶剤系塗料」に比べると耐久性が落ちますが、悪臭は格段に出にくくなる「水性塗料」があります。

④吹き付け塗装を行わない

外壁塗装の方法には、ハケやローラーを使って手作業する「手塗り」と、エアガンやエアスプレーガンを使って、塗料を吹き付ける「吹き付け」があります。
吹き付け塗装は、騒音がするばかりか、塗料も飛散しやすいので、トラブルが起こりやすくなります。

⑤気配りが行き届いている業者を選ぶ

見積もりの時の対応を確認して、ご近所への配慮ができる業者かどうか、チェックすることが重要です。営業担当の印象や対応も見ておくようにしましょう。

●まとめ

外壁塗装を専門業者に依頼すれば、ご近所トラブルは業者が対応してくれますが、自分でDIY塗装する場合は、自己責任になってしまいます。悪徳業者などはトラブルの対応をしてくれないため、第三者に相談することも考慮しましょう。
トラブルは起きないのが一番です。業者が対応してくれても、施主自身も近隣住民への配慮を忘れないようにしましょう。